【開催レポート】座学と演習で学ぶカイゼン活動セミナーを開催しました(2026.6.30開催)

2026年6月30日、「座学と演習で学ぶカイゼン活動セミナー」を開催しました。
本セミナーは現場のカイゼンの基本となるIE(インダストリアルエンジニアリング)の原則と着眼点を学ぶことを目的に開催しており、今年は29名の皆様にご参加いただき、6つのグループに分かれて実施しました。講師は例年通り、大阪工業大学 情報科学部 データサイエンス学科の皆川健多郎教授にお願いしました。

【座学:カイゼンの基本原則を学ぶ】
座学では、労働人口の減少や働き方改革により、生産性向上が「待ったなし」である現状が紹介されました。改善を進める上で「経験・勘・度胸」ではなく、「計画・管理・データ」に基づいた取り組みが必要であると解説があり、IEの手法としてECRSの原則や、動作経済の原則について紹介を受けました。

【模擬生産演習(一人作業)】
続いての模擬生産演習では、LEGOブロックによるミニカー組立を題材に、完成車を目標時間の30秒以内に組み立てる作業方法を検討しました。最初は目標時間を大幅にオーバーしていましたが、班ごとにストップウォッチで計測しながらカイゼンのアイデアを出し合いました。

組立てるミニカー 組立方法の検討の様子
ベースを固定するための滑り止めマットやテープの活用、部品を取る際の迷いをなくすための配置(扇形や左右対称、高さを活用した3次元的な配置など)に各班の工夫が見られました。

各班が作業方法を検討したところで、参加者全員の前で組み立てのデモンストレーションを行いました。最終的に目標達成には至らなかったものの、各班とも最初に比べ半分程度の時間で組み立てができており、カイゼンの効果を体感しました。
最後に記録ビデオを見ながら各班の作業方法の良い点、改善点を皆川先生が解説しました。その中では「空中で作業すると片手保持のムダが生じるため、しっかり固定して両手を同時に使えるようにすること」や「取る順番(奥から、手前からなど)をルール化して作業者の迷いや判断をなくし、いかに『楽に』作業させるかが時間短縮につながる」といった実践的なアドバイスがありました。
【模擬生産演習(ライン生産)】

午後のテーマはライン生産です。
ラインバランスの重要性を学んだ後、演習では複数人でラインを作り、2分間で8台の完成車の生産を目指しました。各班で工程ごとのサイクルタイムを計測し、ラインの作業分担を見直す中で、最初は4名1ラインの構成だった作業を、3名1ラインの構成に組み替えても目標を実現できるなど、改善の効果を体感しました。
演習の最後には、作業の様子を記録したビデオを見ながら、皆川先生から班ごとにアドバイスがありました。
【総括のお話】
午後の講評では、今年ならではのトピックとして「データとデジタルツール(AI)の活用」に関する解説がありました。
作業時間を評価・設定する際、無意識に「平均値」を使ってしまいがちですが、トラブル等を含んだ平均値ではなく、「実測の実力値(ベストタイム)」に着目して目標設定することの重要性が示されました。また、「箱ひげ図」を用いて作業時間のばらつきを可視化し、異常値の原因(部品の供給待ちなど)を探る手法も紹介されました。
さらに、AIの活用という観点では、生成AI(画像生成)を活用して「整理整頓され、作業者が快適に働ける理想の現場」のイラストを作成し、チーム全員で目標とする姿を共有するというアプローチも紹介され、参加者の関心を集めました。
▶ アンケート結果

-
自由意見欄には様々なご意見・感想が寄せられましたが、皆様の声を代表する意見3点を要約してご紹介します。
- IE手法とデータ活用への深い気づき
「経験や勘ではなく、IEという定量的な評価手法の知識を広げることができた」「平均値の危険性と実力値での評価という解説に大変感銘を受けた」など、講義内容への高い満足度が寄せられました。 - グループ演習の相乗効果と講師の的確なフィードバック
「今まで参加した中で一番良いセミナーだった」「初対面のメンバーと意見交換することで自分一人では気づけない改善案が出た」という声や、皆川先生の参加者の見落としを突く鋭い着眼点と講評に感謝の声が集まりました。 - 社内への展開意欲と継続開催の希望
「若手社員や改善経験の少ない社員が基礎を学ぶ上で非常に有効」として、早速自社の他工場へ内容を共有された参加者もおり、本セミナーの継続開催を強く希望する声が寄せられました。
なお本セミナーの続編となる「アドバンス編」の講習を7月27日に開催する予定です。大阪工業大学大宮キャンパスに会場を移し、実際の家電製品をセル生産で組み立てる作業を題材にした実践的な研修を予定しています。





















