
理事長 牧村 実
Minoru Makimura
理事長メッセージ
NIROは、阪神・淡路大震災後の創造的な産業振興を理念に設立され、地域産業の発展を支えてきました。昨年、震災から30年の節目を迎え、これまでの歩みを振り返るとともに、これからの地域産業のあり方を改めて考える一年となりました。 私が理事長に就任して以来、「事業経験豊富なコーディネーター」と「産学官を基軸とするネットワーク」を活かした支援体制の強化に取り組んでまいりました。兵庫県、神戸市、賛助企業の皆様に加え、国の関係機関、関西経済を代表する関西経済連合会、地域支援機関などの皆様との連携を深めることで、NIROが主軸となるネットワーク型コラボレーションは着実に成果を上げています。
現在、NIROの活動は3つの方針に基づいて進めており、主に、将来成長産業の育成に向け情報発信、自治体の産業施策への提案、企業の皆様のニーズに対応した技術支援、人財育成などを行っています(下図参照)。
活動の重点分野としては、将来成長産業4分野に地域産業分野を加えた「4分野+1」と、これらを支える基盤として「ものづくり」および「知的財産」の強化にも取り組んでいます。(下図参照) 例えば、将来成長産業4分野の一つである航空宇宙分野では「ドローン」や「空飛ぶクルマ」に着目し、NIROが企画・運営の中心となり開催する、西日本最大級の展示会「国際フロンティア産業メッセ」などを通じて、社会課題解決に向けた活用検討や社会的受容性の向上に取り組んできました。
特に「ドローン」分野については、2020年度より利活用に関する取り組みを開始しました。2022年には、内閣官房および兵庫県が主催する「第1回ドローンサミット」において、企画・運営を担当しています。 これらの経験を通じて、ドローン業界の発展には、事業者同士や利用者との「なかまづくり(ネットワーク構築)」が不可欠であると強く認識し、「ドローン利活用プラットフォーム」を立ち上げました。本プラットフォームには、現在200を超える企業・団体が参画しており、ドローン活用を加速させるための基盤として機能しています。 また、本プラットフォームは、大阪・関西万博の関西パビリオン多目的エリアにも出展し、災害対応、設備点検、物流など、社会課題の解決に向けたドローン活用の具体的な事例を紹介しました。この出展は、ドローンの社会受容性を高めるとともに、地域企業の技術力を広く発信する貴重な機会となったと考えています。
次に、将来成長産業を支える基盤となる「ものづくり支援」に関しては、NIROでは生産性向上に向けた伴走型支援を重視してきました。現状分析から改善の定着まで一貫したサポートにより、年々支援要請が増加し、地域企業の競争力強化につながる成果をあげています。 一方、近年はAIやデジタル技術の進化が加速し、これらを活用する企業とそうでない企業の間で競争力格差が広がりつつあります。そのため、地域の中堅・中小企業の皆様が急速な変化に対応できるように、「現場に実装できるAIとデジタル技術の活用支援」が重要になっています。
今後NIROは、従来のものづくり・生産性向上支援に加え、AIやデジタル技術を現場に無理なく根づかせることを目指し、生産性向上、人財育成、技術開発を一体的に支援してまいります。AI関連の変化が加速する中、産学官が連携し、地域の中堅・中小企業の皆様が確実に変化に適応できるような実践的な支援体制の構築に取り組みます。
関西全体の産業動向に目を向け、地域の強みを生かした連携をさらに広げながら、将来成長産業の育成とものづくり支援を両輪として中堅・中小企業の皆様の発展に尽力してまいります。地域の未来をともに創っていくため、引き続きご支援、ご協力をお願い申し上げます。


