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理事長ごあいさつ

牧村 実

理事長 牧村 実
Minoru Makimura

将来産業の育成に向けて

4分野+

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、私共の経済産業活動は大きく妨げられ、近年では最大の経済危機ともとらえられています。
 過去の経済危機は、企業倒産や企業業績の著しい低迷をもたらす一方、外的な大きな経済変化や苦境が急速な産業構造の変化をもたらすことで、大きな産業や技術のイノベーションを生んできた経緯があります。
 新産業創造研究機構(NIRO)は、阪神・淡路大震災後の産業復興と中長期を見据えた創造的な産業振興を目的に1997年に創立されましたが、それらの経験を生かして、この度の経済危機においても、しっかりと企業の皆様の支援を行っていく所存です。当面は、世界的に経済産業の低迷が極めて危ぶまれる中、いかに経済産業を維持していくのかが重要な課題となります。次には、今回の環境変化が我々の創造的産業振興にどんな影響を及ぼすのか、今後の苦境をリスクとチャンスの両面から考えることが必要になります。特に、中長期に目指す将来産業については、今回の経済動向も考慮しながら、しっかりとした将来と市場動向を見据える必要があります。

   

 NIROでは、これまで「ロボット・AI・IoT」、「環境・エネルギー」、「航空機」、「健康・医療」の将来産業4分野及び特色ある「地域産業」と、これらを支える「ものづくり」、「知財」の技術基盤に注力してまいりました。今般の新型コロナウイルスの将来市場動向への影響などを再確認して、これらの分野を指向される企業の方々と共に産業育成の礎を築いていきたいと考えております。

 

 「ロボット・AI・IoT」の分野では、人材不足解消、技能継承、生産効率化などを目的として、今まで導入があまり進んでいなかった中堅・中小企業の皆様からの関心が高まっています。特に昨今では、現場での人と人の接触を減らし新型コロナウイルスの感染リスクを低減するために、製造現場の自動化やテレワークなどの早期実現が求められており、NIROに設けている「ロボット・AI・IoT導入相談窓口」には、日々、たくさんの相談が寄せられています。また、様々なビジネスに対し革新的イノベーションをもたらすDX(デジタルトランスフォーメーション)についても、積極的に取り組んで参ります。

 

 「環境・エネルギー」の分野では、エネルギーの安定確保とCO2排出削減を同時に解決する切り札の一つとして「水素」に注目しており、この視点は不変だと考えています。地元では水素先進地域となるべく、実証事業が続いています。ポートアイランドでの水素発電によるエネルギー供給実証に続き、水素大量輸送に向け、豪州と連携した壮大なプロジェクトの幕開けで、世界初の液化水素運搬船の進水式が行われ、さらに、神戸空港島にて液化水素の荷役基地の実証が始まります。NIROでは水素社会に向けて、今後求められる製品の市場や動向の予測を立て、水素産業に進出する中堅・中小企業の皆様の開発や実績作りへの道標となることを目指します。

 

 「航空機」の分野では、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう航空運航需要の大幅な低迷に対し、徹底した情報収集を行っていくとともに、政府や各自治体による支援事業の活用をサポートしていきます。その一方で、中長期の「あるべき姿」を見据えながら、近畿経済産業局及び関西経済連合会と一体となり、「関西航空機産業プラットフォームNEXT」として、引き続き中堅・中小企業の皆様の「航空機産業」への参入及び事業拡大を支援してまいります。

 

 「健康・医療」の分野では、日本最大のバイオメディカルクラスターを有する神戸ポートアイランドという地の利を生かしながら、再生医療分野における研究開発ネットワークの形成、周辺地域中核企業の成長支援事業などを通じて、企業シーズのマッチングから試作品・製品の開発までの一貫支援による新産業創出を図っています。

 

 今日、明日、明後日(短期、中期、長期)を見据えたこれらの活動は、国内外の大学・先端的研究機関、賛助会員・地元企業、産業支援機関、金融機関及び自治体の方々と有機的に協力・連携して取り組んでまいります。皆様には一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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