【開催レポート】3S工場見学会&3S講習会(於:枚岡合金工具)を開催しました(2026.5.20開催)

「3S工場見学会&3S講習会(見学先:枚岡合金工具株式会社、大阪市生野区)」を2026年5月20日(水)に開催し、19名の方に参加いただきました。神戸市とNIROが2018年度から開催する「IoT・ロボット導入支援事業」のイベントです。
枚岡合金工具は大阪にある従業員約20名の金型メーカーですが、3Sに徹底的にこだわり経営改革を成し遂げました。また3Sを志す国内外の企業向けに、同社工場のノウハウを公開する見学会を定期的に開催し、今回の見学会はその1,053回目となります。NIROの見学会は2019年から数えて7回目になります。
- 講演「人生に儲けとツキを呼ぶ「徹底3S活動」成功の秘訣」
講師:枚岡合金工具株式会社 代表取締役会長 古芝 保治 氏
はじめに同社の3S活動を引っ張る古芝会長から講演をしていただきました。枚岡合金工具がなぜ3S活動を始め、どのような困難を乗り越えて経営改革に至ったのかという「歴史と哲学」を熱く語っていただきました。
3S工場見学会&3S講習の様子 講演中の古芝会長
具体的には、以下のような話題が提供されました。
- きっかけとなった3S先進企業の見学
- 要らない物は徹底的に捨てる(「まだ使える、もったいない」からの決別)
- なぜ3Sが経営改革につながるのか(モノを探す時間は「1秒1円」の無駄)
- 抵抗勢力との軋轢と、それを乗り越えた経営理念の再構築
- 会長自らが率先した工場床のペンキ塗り(DIYによるコスト削減と団結力の醸成)
- 活動の成果が認められ、大手企業の視察やメディア取材を受けた経緯
- 物理的な3Sから、情報の3S(ペーパーレス・DX)への発展
単なる片付けのテクニックではなく、「トップの覚悟」や「対立を乗り越えた理念の確立」が成功の土台になっているという、非常に熱いメッセージを受け取ることができました。
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清掃体験
講話に続き工場に移動して参加者全員で記念写真。

「清掃体験」では枚岡合金工具が実際に清掃を行う方法で床を拭き同社が目指す清掃の水準を参加者一同体感しました。
枚岡流清掃方法を古芝会長が説明 清掃作業を参加者全員が体験中
- 工場と事務所の見学
休憩をはさんで、2班に分かれて工場と事務所を見学し、それぞれの場所で実践中の3Sに関わる取組みを具体的に判りやすく説明をいただきました。
工場の現場では長年の活動で培ったノウハウを説明いただきました。
- 工具棚に表示された収納する工具の形を示す姿絵
- 床にテープをはり、ごみ箱などの「モノと場所」を紐づける定位置管理
- フロア上の機器にキャスターを取り付けて清掃時の移動を簡単にする
- 消耗品を必要数だけ発注する発注用FAX用紙と管理の仕組み
- 職場の問題点を作業者がスマホで入力して共有・管理する仕組み

事務所では、個人が日々使用する文房具は机引き出しの中で定位置を決める工夫があり、必要な物を素早く取り出すことができます。壁面キャビネット内のファイルフォルダーの背表紙には、写真が貼ってあり一目で書類を戻す正しい位置が判るようになっています。
このような3Sの活動は、月1回のペースで半日かけ経営幹部も含めて全員参加で取組み、成果を上げると共に会社の一体感を育てているそうです。
- 解説:「情報の3S」
整頓の定義である「必要なものをすぐ取り出せる状態」をデジタル世界で実現するのが『情報の整頓』。デジタルの特性(通信が速い・複製が簡単・省スペース・検索が瞬時)を活かせば、劇的な業務改善が可能になるとのメッセージがありました。 具体的には以下5つの事例が紹介されました。
- 設備機械の稼働状況(IoT活用)で稼働率を把握。作業者意識向上で稼働率向上
- 室内の温度環境の見える化(IoT活用)で温度と加工精度の関係を検証可能に
- 人の所在の見える化:社長の在室を遠隔で確認可能にして、人を探すムダを排除
- 生成AIによる議事録作成の効率化で、従来2時間の作業が5分で完了
- 完全ペーパーレス化と検索システムで、従来30分要した書類の取り出しが5秒に
- Q&A、意見交換
見学会終了後にNIROの司会で質疑応答を行いました。古芝会長には丁寧にお答えいただきました。
いくつかの例を示します。Q. 3S活動が継続・定着する秘訣は?
A. トップの率先垂範が最重要。その上で「時間・場所・人」を定めて仕組み化し、外部見学などで定期的に新たな
刺激を取り入れること。Q. 人事評価と連動させているか?
A. 人事評価の「勤務態度」の項目内に3S活動を明確に組み込み、日々の取り組みをしっかり評価に反映している。Q. 「もったいない」等、トップの意識を変えるには?
A. トップ自身に見学会へ参加してもらうのが有効。まずはトップを巻き込み、「いらない物を捨てる」最初の一歩を
踏み出すこと。その後、参加者から会社毎に見学会に対する感想をご紹介いただきました。
すべては挙げきれませんが、以下のような感想(気づきと抱負)が表明されました。- 不要物の整理(捨てる勇気):「もったいない精神」を見直し、トップを巻き込んで勇気を持って不要物を捨てていきたい。
- 見える化と定位置管理:写真表示や姿絵、丸シール等を活用し、工具や文房具の定位置管理を自社でも徹底したい。
- 探す時間の削減:モノを探す無駄や重複購入をなくすことが、現場の稼働率や売上向上に直結すると気づかされた。
- 活動の仕組み化(時間の確保):空き時間にやるのではなく、清掃や協議の「時間」を明確に決めて継続させる仕組みを作りたい。
最後に主催者から、今回の気づきを社内に持ち帰り、小さなことで良いので、まずは行動を起こすことが意識変化の第一歩となる、と行動を促しました。
- 参加者アンケートから
見学会開催後のアンケートの結果の一部をご紹介します。






















