【開催レポート】3S工場見学会&3S講習会(於:枚岡合金工具)を開催しました

「3S工場見学会&3S講習会(見学先:枚岡合金工具株式会社、大阪市生野区)」を2025年5月20日(火)に開催し、22名の方々に参加いただきました。神戸市とNIROが2018年度から開催する「IoT・ロボット導入支援事業」のイベントです。
枚岡合金工具は大阪にある従業員約20名の金型メーカーですが、3Sに徹底的にこだわり経営改革を成し遂げました。また3Sを志す国内外の企業向けに、同社工場のノウハウを公開する見学会を定期的に開催し、今回の見学会はその1007回目となります。NIROの見学会は2019年から数えて6回目になります。
それでは、当日の様子をご紹介します。
- 講演「人生に儲けとツキを呼ぶ「徹底3S活動」成功の秘訣」
講師:枚岡合金工具株式会社 代表取締役会長 古芝 保治 氏
はじめに同社の徹底した3S活動を引っ張る古芝会長から講演をしていただきました。
以下のようなお話を約1時間にわたり熱く語っていただきました。
- なぜ3Sが経営改革につながるのか、ものを探す時間の無駄(1秒1円)
- きっかけとなった3S先進企業の見学
- 要らない物は徹底的に捨てる。「まだ使える、もったいない」からの決別
- 社内に生まれる抵抗勢力との軋轢、それを乗り越えるリーダーシップ
- 3Sの成果が認められ、大手企業の見学やメディアの取材のお話
3S工場見学会&3S講習の様子 講演中の古芝会長
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清掃体験
講話に続き工場に移動して参加者全員で記念写真。
休憩をはさんで「清掃体験」では枚岡合金工具が実際に清掃を行う方法で床を拭き同社が目指す清掃の水準を参加者一同体感しました。短時間ですが結構大変です。
枚岡合金工具では工場を7つのエリアに分けて、順番に場所を変えながら毎日10分間社員全員で掃除を行っているそうです。
清掃体験の様子です。今はフラットな床面も以前はデコボコだったそうですが、会長自らが率先して平坦化して色を塗ったとのことです。
一見綺麗な床面も拭き掃除をすると雑巾には黒い汚れがつきます。定期的な清掃が重要なことが判ります。 - 工場と事務所の見学
休憩をはさんで、2班に分かれて工場と事務所を見学し、それぞれの場所で実践中の3Sに関わる取組みを具体的に判りやすく説明をいただきました。
工場の現場では長年の活動で培ったノウハウを説明いただきました。
- 工具棚に表示された収納する工具の形を示す姿絵
- フロア上の機器にキャスターを取付て清掃時にの移動を簡単にする
- 消耗品を必要数だけ発注する仕組み
- 職場の問題点を作業者がスマホで入力して共有・管理する仕組み
事務所では、個人が日々使用する文房具は定位置を決める工夫があり、必要な物を素早く取り出すことができます。 壁面キャビネット内のファイルフォルダーの背表紙には、写真が貼ってあり一目で書類を戻す正しい位置が判るようになっています。
このような3Sの活動は、月1回にペースで半日かけ経営幹部も含めて全員参加で取組み、成果を上げると共に会社の一体感を育てているそうです。 - 解説:「情報の3S」
見学後会議室で同社が開発したドキュメントの管理ソフト「デジタルドルフィンズ」や機械の稼働状況を把握するIoTの取組ご紹介をしていただきました。
- Q&A、意見交換
今回、初めての試みとして見学会終了後にNIROの司会で質疑応答を行いました。
最初は遠慮されていましたが、時間経過と共に多くの質問が出て、古芝会長には丁寧にお答えいただきました。
その後、参加者から会社毎に見学会に対する感想をご紹介いただきました。すべては挙げきれませんが、以下のような感想が表明されました。- 床の綺麗さに感動した
- 経営者視点での学びがあった。決めてやり抜くことに対する誇り。
- 3S推進に当たっての熱意の重要性と経営幹部の率先垂範を見習いたい。
- あきらめず続けることの重要性を学んだ。
- 自社での課題や悩み:3S活動への参加率、上層部の忙しさ、活動自体の目的化
最後に講師の古芝会長から「本日の学びの中から最低3項目は実施して欲しい」と要請がありました。NIROからも「学びのインパクトは時間経過で薄れるので早く行動に移してほしい」と要望させていただきました。
- 参加者アンケートから
