【開催レポート】生産性向上支援フォーラム(2025年1月28日開催)~労働力不足と原材料費高騰をチャンスに変える生産性向上とは~
2025年1月28日に兵庫県立工業技術センターで「生産性向上支援フォーラム」を開催しました。当日は、兵庫県内の企業支援機関/団体、金融機関、企業の約120名の方に参加いただきました。
フォーラム動画(NIRO YouTube チャンネル)
挨拶
フォーラムの冒頭、兵庫県産業労働部の原田剛治部長から、出生数が長期低下傾向であることに加え、原材料の高騰などリスクの高まる中、県経済の将来に渡っての発展を考えたとき、「生産性向上」が重要課題であると挨拶した。
次に、NIRO専務理事の緒方隆昌から、この生産性向上支援は①将来の発展を目指す企業の存在 ②事業経験の豊富な支援スタッフ ③県行政の推進方針と財政的な支援 ④支援機関・金融機関との協力連携が今回揃ったことで、この支援のスタートを切ることができたと挨拶した。
講演
NIRO生産性向上総括ディレクター 安松智の講演で以下を紹介。
前半では、
『自動車会社でのものづくり経験や企業支援を通じて学んだこと』と題して、自動車会社での生産技術の経験と企業ものづくり支援経験を紹介。
後半では、「ものづくり支援センター 生産性向上支援事業内容紹介」と題し、企業の生産性課題のありかの見つけ方、伴走支援の活動内容、支援の流れを紹介した。
事例発表
ものづくり支援センター 副センター長の服部智から『これまでの支援事業内容ご紹介』として、従来より推進している3事業に加え、今回新設した1事業を紹介。従来事業から、生産性向上に資する事例として、以下の3事例を紹介した。
最初の事例発表として、エア・ウォータNV(株)商品開発部 西川晃司様から『社内初の自動化導入を通じた現場改革』と題して、熱処理作業へのロボット導入による自動化と生産計画スケジューラ導入による生産管理業務の効率化についてご発表頂いた。
ロボットの導入と動作成功率の改善に取り組まれる中で、現場から好意的な意見が得られるようになり、社内の改革意識が高まって、生産計画スケジューラ立ち上げにつながっているとのこと。
次に、ロザイ工業(株)代表取締役副社長 小林洋介様から『スマートファクトリーへの挑戦(生産性向上による働きやすさの実現)』と題して、ロボットとAIを使った画像診断を駆使した“耐火れんが自動選別システム(AQUSEL)”についてご発表頂いた。
NIROの他、兵庫県立大学、システムメーカ・ロボットメーカと連携し、補助金を有効に活用し、自動選別システムの導入に成功したことで、労働生産性の改善・労働環境の改善・品質の高度安定化を実現。その中で、自動化技術を獲得、また、AI導入・活用を経験し、ものづくりDXの大きな自信となったこと、また、さらなる改善活動の推進へモチベーション向上に至ったとのこと。
最後に、(株)福原精機製作所 代表取締役社長 山田剛氏から『出荷ミス撲滅への挑戦(お客様の信頼を裏切らない組織になるために)』と題して、全社をあげて出荷ミス0.0%にチャレンジした活動をご紹介。
活動当初は経営者と現場の思いにギャップがあり、変革への歯車が嚙み合わないといった課題にも直面したが、経営と現場がワークショップを重ね、問題認識を可視化、共有して擦り合わせ結果、阻害要因(社内クレーム)件数を現場KGIとして設定し、着実に減少する成果をあげた。その過程で、課題を自分事として取り組む風潮が生まれ、新しい問題・課題に出会っても、自ら考え、解決してゆく力を実感されるに至ったとのこと。
参加者内訳

ご相談ください!
今回参加頂きました皆さま、どうもありがとうございました。NIROの生産性向上支援事業につきましては、まだ始まったばかりで兵庫県内の企業の皆様のお耳に充分お届けできておりません。
生産性向上活動をお考えの企業の皆様は、ものづくり支援センターにご相談下さい!
支援機関・団体の皆様には、皆さまにお伝え頂くとともに、生産性向上を目指しておられる企業様をご紹介頂きますよう、この場を借りてお願い致します。
生産性向上支援事業の説明をご希望の場合はご連絡いただければ、直ぐに相談にお伺いいたします。
◆ものづくり支援センター
TEL:078-306-6806 Email:smart-t@niro.or.jp