2019年11月14日に「IoT工場見学会(JTEKT刈谷工場)」を開催し、34名の方に参加いただきました。
神戸市とNIROでは、昨年度より「IoT・スマートものづくりスクール」として、ものづくりの高度化を目的に、毎回テーマを絞った講習・セミナーをシリーズで開催しており、その2019年度の第6回目にあたります。
株式会社ジェイテクト様(以下:JTEKT)は工作機械の製造メーカとしてよく知られており、従来より製造現場へのIoT導入に積極的に取り組まれ、IoE(Internet of Everything)の観点でシステム開発、商品展開をされています。
今回は、JTEKT様の自社工場で展開している現場事例の見学を希望したところ、11月13日~15日開催の展示会「ジェイテクト・テクニカルフェア2019(JTF2019)」とタイミングを併せた、当方の希望に沿った見学会を設定して頂きました。また、JTEKT様のご厚意により、NIROが主催する工場見学会としては多人数の定員の募集ができたにも関わらず、早期に締め切らざるを得ないほどでした。
それでは、当日の様子をご紹介します。
1. JTEKT様からのプレゼンテーションまずJTF2019で開催のIoEに関する講演会「JTEKTが進めるスマート化技術」を聴講し、IoEソリューションの紹介を受けました。永年にわたり取り組んでこられた成果として、「生産の成長」と「人の成長」に貢献するシステムの紹介をいただき、その実践を自社工場で行っており、成果をあげているとの説明もありました。
会場の様子です
プレゼンテーションの骨子です(JTEKT様の資料より転載)
生産の成長 人の成長
2. 展示会見学、工場見学
プレゼンテーションに引き続き、2班に分かれてJTF2019で開催中の展示会、実際の生産ラインでIoTデータ収集を行われている様子を約1時間にわたり見学しました。以下のIoT活用の現場を見学しました。
- 設備立会時間問題解決スピード向上
- 研削盤設備・作業生産性向上
- 研削盤組み立てライン人材育成
以下の写真は見学会のひとコマです。研削盤組み立てライン人材育成のために、作業員の習熟度のデータ収集の仕組みと、見える化ソフトでその内容表示の説明中。人の作業状況のデータを収集し、生産ラインの改善に役立てるとともに、人の習熟度の指標にする仕組みは新鮮で、熱心に聞き入られていました。
3. Q&A
見学後、Q&Aの時間を設けていただき、たくさんの質問に答えていただきました。機械の稼働の見える化だけでなく、機械とともに、作業員の作業状況のデータ収集を行う仕組みに関するQ&Aが多くを占めました。
アンケートでは、「参加して良かった」、「内容が大変役立つ」、「もう少し時間を取って見たかった」などの回答を多くいただきました。また、「当初からの改善など、ステップアップについて詳しく知りたい」などの意見もありました。全体としては、前向きで、熱心な回答を多くいただきました。
今後のIoT活用によるカイゼン活動のきっかけとして期待できる結果となりました。