2019年度「第1回ロボット導入事例紹介セミナー」を開催しました
2019年6月7日(金)、「第1回ロボット導入事例紹介セミナー」を神戸サンボーホール 2階会議室にて開催しました。このセミナーは当日1階で開催された「今すぐ使える!! IoT・AI・ロボット展」と同時開催で実施しました。関係者を含め、215名の方々にご参加いただきました(事前申込者:176名。当日参加者:39名)。当初、用意していた椅子が足らなくなるほどの大盛況ぶりでした。
同時開催の「今すぐ使える!! IoT・AI・ロボット展」には、多くの
加工と測定に特化したロボットシステム
FNS株式会社 営業技術部 部長 木佐氏
FNS様は加工機のメーカーです。N/C機、旋盤、計測機等を作っておられます。人手不足で人が集まらない現場から自動化を求められますので、加工機と一緒にロボットのシステムを扱っています。ワークの出し入れ、計測、傷の確認等、ロボットを使うことにより自動化します。省スペースへの対応、時間の節約等にも工夫されておられます。
ヒト型ロボットNEXTAGEを活用した、
人手不足時代のものづくり
カワダロボティクス株式会社 管理部 広報室長 藤井氏
カワダロボティクス様は2013年に設立、母体の川田工業株式会社様は橋梁、鉄骨等のメーカーで100年近い歴史を持っておられます。1999年からヒューマノイドロボットの開発を始め、このロボットの開発で培った技術を生かし、Nextageを2009年に発表しました。このNextageは、アームだけでなく画像認識一体型のオールインワンのロボットで、人と同等のコンパクトなスペースに設置可能な大きさにまとめられています。画像認識で位置決めするので設置が簡単で、駆動出力が各軸80W以下のモーターを使用するため、安全柵不要で使用できます。適用事例としては、花王株式会社に納入した実際の製造ラインのうち、3台のロボットでチューブの整列から箱詰めまでを行う模擬工程が紹介されました。
外観検査の救世主!
人型外観検査システム『外観けんた君』
常盤電機株式会社 第2事業本部 FA事業部 井上氏
「外観けんた君」は、ABBの「協働型双腕ロボット『YuMi®』(ユーミィ)」に独自機能を付加し、外観検査に特化したロボットです。株式会社デクシスがアプリケーション開発を行いました。YuMi®は人間と同じ、片腕7自由度があるハンドを持つ「双腕ロボット」です。外観けんた君はYuMi®の人のお腹に相当する部分に2台の検査カメラを取り付けました。外観検査ではワークを手で持ち、お腹のカメラで検査します。今回の発表では、医療用のボトルの検査の事例が紹介されました。まず、左手でコンベアからピックアップしたボトルをお腹のカメラで検査、ボトルの天面と底面を検査し、次に右手に持ち替え、側面を検査の上、良否を判定し、選別します。この検査では、キズ、汚れ、欠けの判定を行い、安定的な品質を実現されておられます。
『現場に改革を』
ロボット導入による自動化のすすめ!
宮脇機械プラント株式会社 システム技術部 サブマネージャー 小谷氏
宮脇機械プラント株式会社様は、主として工作機械を取り扱っている商社です。社内のシステム技術部が、ロボットのシステムインテグレーションを行っていますが、社内では、ものづくりはしておられません。明石の本社にはロボットラボを設置し、アプリケーションの展示を行うとともに、テストも可能です。今回は、工作機化へのワーク脱着を中心とした事例と、7自由度のアーム活用の事例が紹介されました。
リモートアクセスと協働ロボットによる
次世代ロボットオペレーティングシステム
iCOM技研株式会社 代表取締役 山口氏
iCOM技研株式会社様は、新しいサービスの展開を計画しておられ、現在、協働ロボットを導入していただくSIer事業をデンマーク製のロボット「UR(ユニバーサルロボット)」を使って実施したいと考えておられます。ロボットを使用中にトラブルが起こった場合、メーカーのメンテナンスサービスを呼ぶと多額の費用がかかりますが、このシステムでは、リモートで接続し、現場に行かないで対応ができます。さらに、現場にいる担当者にスマートグラスをかけてもらうことにより、サービスの担当者にも、ユーザーが現場で見ている画面を遠隔で見ることが可能です。また、ロボットの操作教育にも使用が可能で、月額5万円程度での展開を考えておられます。この、遠隔操作により、不具合個所を見つけ、遠隔でロボットを動かしたり、ソフトを修正したりすることが可能なシステムは、2020年春のリリースを予定されておられます。
技術商社が考える、
ロボット・IoTのトータルソリューション
株式会社立花エレテック FAシステム事業
ロボットソリューション部 担当課長 岡田氏
株式会社立花エレテック様は商社ですが、全社員の四分の一が技術者(12名)で、ロボットシステムの提案を自責で行うなど、付加価値の高いサービスをビジネスとしています。今回、紹介されたシステムは、CEATECで展示したもので、近未来の工場をイメージし作ったものです。OMRONのモバイルロボットがゴルフボールを運び、duAroと三菱電機の多関節ロボットが作業を行い、ABBのYuMi®が箱詰めを行います。さらに今回は、ロボット・IoTのトータルステーションも紹介されました。 IoTの導入にあたっては、つなぐ、集める、見える化の手順で進めますが、IoT導入による真の成果を得るためには、見える化で得られたデータを分析し、ものづくりの現場を具体的にどのように改善に結びつけるか考えることが重要とのことでした。
◯ロボット相談窓口の紹介とロボット実用化・普及補助金の公募説明 NIRO
セミナーの最後にNIROのロボット導入窓口の紹介と公募中の「ロボット実用化・普及補助金」の公募説明を行いました。「ロボット実用化・普及補助金」に関する情報は、下記のリンク先に掲載しております。