
理事長 牧村 実
Minoru Makimura
理事長挨拶
NIROは、阪神・淡路大震災後の創造的な産業振興を目指してスタートしました。私がNIRO理事長に就任して以来、特に注力して参りましたのは、「事業経験豊富なコーディネーター」と「産学官を基軸とする効果的なネットワーク」を生かし、将来産業分野への取り組みを強化することです。その結果、兵庫県、神戸市、賛助企業の皆様とのシナジーが確立し、さらに、国、関西経済連合会、地元支援機関などの皆様との連携を深めることで、NIROが主軸となった「ネットワーク型コラボレーション」が強力に機能するようになりました。
現在、NIROの活動は4つの方針に基づいて進めており、将来産業の育成に向け情報発信、自治体の産業施策への提案、企業の皆様のニーズに対応した技術支援、人財育成などを行っています(下図参照)。
例えば、航空宇宙分野における次世代モビリティ「空飛ぶクルマ」、「ドローン」に関しては、NIROが企画・運営の中心となり開催する、西日本最大級の総合展示会「国際フロンティア産業メッセ」にて、最新機体の展示による開発動向の紹介のほか、国や兵庫県と連携し、メッセ併催イベントとして開催した「第1回ドローンサミット」などを通じ、社会課題解決に向けた活用検討、社会的受容性の向上に取り組んで参りました。
また「空飛ぶクルマ」は、大阪・関西万博でも皆様の関心が高いアイテムの一つであり、万博を機に、兵庫・大阪は日本における空飛ぶクルマの先進地域になることは間違いありません。その優位性を新たな産業振興や地域活性化につなげていくことが重要です。その一方で、空飛ぶクルマは、空の移動革命といわれるだけあり、機体の開発・製造から、インフラ整備、法整備、ビジネスモデルまで様々な課題が存在します。NIROは、これらの課題解決に向けて、これまで実施してきた情報発信、技術開発を行うスタートアップ企業支援に加え、ネットワーク型コラボレーションによる自治体や経済団体と連携した提言など、引き続き様々な立場で社会実装につながる活動を進めて参ります。
最後になりますが、今年は震災後30年の節目の年でもあります。NIRO設立の理念を改めて思い起こし、将来産業分野の育成を通じて、中堅・中小企業の皆様の発展に向け、引き続き尽力して参りますので、今後ともご協力、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。