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お知らせ

【開催終了】「医療機器開発と新技術」~超音波を基軸とする次世代診断システム、新しい原理に基づく殺菌技術~(成長産業育成コンソーシアム推進事業 ネットワーキング交流会)(2022.11.25 開催)

成長産業育成コンソーシアム推進事業 ネットワーキング交流会

「医療機器開発と新技術」
~超音波を基軸とする次世代診断システム、新しい原理に基づく殺菌技術~


【同時開催】令和4年度兵庫県地域活性化雇用創造プロジェクト

「ひょうごものづくり企業多角化促進・ 人材育成プロジェクト」次世代成長産業分野進出支援事業(健康・医療分野)講演会

健康・医療分野に関する講演会および産学官ネットワークの拡大を目指した交流会を開催いたします。今回は「医療機器開発と新技術」がテーマとなっております。奮ってご参加ください。
兵庫県とNIROは、今後成長が期待される次世代産業分野(AI・IoT、航空・宇宙、ロボット、環境・エネルギー、健康・医療等)におけるイノベーション創出促進を目的とし、県内関係企業や大学、研究機関等で構成する成長産業分野別のコンソーシアムを設置し、企業が保有する課題の解決に向けて取組む事業を推進しています。また、安定的な雇用の創出促進を目的とし、次世代産業への転換や進出といった多角的な事業展開を推進する事業を推進しています。産学マッチングや情報収集等にご活用ください(要登録)。

◆日時:2022年11月25日(金) 14:00 ~ 17:00
◆場所:アンカー神戸 イベントスペース (神戸三宮阪急ビル15階)

◆対象:兵庫県下に事業所を有し、健康・医療分野への新規参入や事業拡大を目指している企業等
*参加費:無料 *定員:20名程度

◇主催:(公財)新産業創造研究機構(NIRO)

◆お問合せ:(公財)新産業創造研究機構(NIRO)技術移転部門 健康・医療部 西野(nishino@niro.or.jp
13:30~14:00 受付
14:00~14:05 開会挨拶
14:05~16:15
(含質疑応答・休憩)

【講演 1】「まだまだ、進化・成長する医療機器」
      ~新規高度管理医療機器にチャレンジして

(国研)物質・材料研究機構 リサーチアドバイザー
(一社)いばらき移動診療支援機構 理事 袴塚康治 氏

【講演概要】
米国IT業界を中心とする医療機器アプリ(SaMD)や健康アプリの進化・成長が続いている。米アマゾンが日本で処方薬販売への参入を検討している。米国ではヘルスケア企業をめぐる再編が活発になっている。新しいビジネスが生まれようとしている。アジアにおいては高度医療機器の国産化、特に中国、政府方針の製造強国を目指す産業政策「中国製造2025」で高度医療機器の国産化が打ち出され、新興医療機器企業がCTやMRI等のイメージング診断機器市場で欧米勢に並び、株式時価総額が3兆円になった。地方政府、国が、製品を構成する部品の供給網を自国で完結させ、製品化を国内ではかる動きが活発になってきた。日本では、メディカロイドが開発した手術ロボットが上市され、一般市民病院に導入された。大手企業が、医療機器事業に選択・集中する動きがでてきた。世界的に新しい形のヘルスケア・医療機器事業の変化が激しく、進化・成長が続き、魅力ある市場が形成されつつある。
高度管理医療機器(クラス3,4)は治療に関係する製品が多く、医師、患者のニーズが高い。此処では、クラス3の医療機器にチャレンジした時の経験を基に、必ず行う基本を紹介し、(1)新医療機器の開発・参入時に考慮した事と足りなかった事、(2)市場参入後に行う事は何か、(3)事業継続・撤退、等に関し情報提供をさせて頂きます。

【講演 2】「超音波を基軸とした次世代診断システムの開発について」
(国研)産業技術総合研究所 健康医工学研究部門 主任研究員 新田尚隆 氏

【講演概要】
超音波診断は、X線のように被ばくせず、胎児診断にも使えるほど高い非侵襲性と安全性を有している。超音波プローブを体表に当てるだけで生体の断層画像を取得でき、心臓などの可動組織や血流の動態をリアルタイムで観察できる。また装置の小型化も可能で、ベッドサイドや手術現場、ひいては災害現場での検査も容易に行うことができ、診断では欠かせないモダリティとなっている。最近の技術的な進歩としては、超音波画像の高画質化、定量計測可能な物理量の拡大、そして深層学習に基づく疾病の分類や画像再構成などが挙げられる。プローブの製造技術やビームフォーミング技術の向上による高画質化、シアウェーブエラストグラフィやトランジェントエラストグラフィによる組織硬さの定量計測、などがある。深層学習ではAMEDのプロジェクトにおける超音波画像の収集と診断装置開発の取り組みがあった。このような状況の中、我々は定量計測にフォーカスを当て、超音波を基軸とした次世代診断システムの開発を進めている。組織性状は疾病状態と高い相関があることが知られており、疾病の早期発見に有用な手がかりを提供する。本研究では特に、粘性・弾性・音速の各組織性状に着目し、超音波を基軸として、これらを非侵襲的または低侵襲的に計測する技術を開発している。本講演では、超音波診断技術の開発に係る国内外の動向を踏まえ、我々の取組についてショーケース的に紹介したい。また将来の開発の方向性についても議論したい。

【講演 3】「マイルドな電位印加時のカチオン挙動を利用した新原理殺菌技術」
(国研)物質・材料研究機構 電気化学ナノバイオテクノロジーグループ グループリーダー
北海道大学 客員教授 岡本章玄 氏

【講演概要】
現在、抗生物質の不適切な使用による薬剤耐性菌の出現や、細菌集団が作り出すバイオフィルムによって、医療現場における感染症の管理が世界規模で問題になっている。抗生物質の不適切な使用による薬剤耐性菌の出現により2050年には世界で1000万人が薬剤耐性菌によって亡くなると推測されており、医療機器の感染管理においても深刻な問題になってきている。一方で、化学的手法を超える殺菌技術は長年にわたり開発されていない。岡本らは、細菌の電気化学研究を通して、口腔や腸内のバイオフィルム病原細菌に対して微弱な電位を印加することで不活化できる新現象を見出した。既存技術に比べ、当殺菌方法は、バイオフィルムに潜む薬剤耐性菌への継続的な効果が期待できる革新性を持つ。しかし、その機構や現象の普遍性の検証は既存技術では難しかった。本研究では従来の100倍のスループットを持つ独自開発した電気化学測定系を用いて、電気生化学に基づく新原理を利用した革新的殺菌技術の汎用性の検証を行った。薬剤耐性菌や、消毒剤に高い抵抗性を示す菌などを含む5株の重要細菌に対してバイオフィルム培養後に印加する電極電位、その時間の影響を網羅的に測定し、殺菌効果が最大化する電極条件を特定した。さらに、医療機器材料として重要なステンレス(SUS304)や重要な残留細菌に対しても高い効果を確認することができた。遺伝子発現解析や遺伝子破壊株ライブラリを活用することで、殺菌原理の遺伝子レベルの検討を行い、カチオンの細胞内への流入、浸透圧を変化させることで殺菌が行われる新原理を突き止めた。得られた知見に基づいて大幅な殺菌効率の向上にも成功しており、最大で生菌数が5程度の対数減少を示した。本技術は、電極を近づけることであらゆるバイオフィルムに対して殺菌効果を示すことが期待できる革新的な技術であり、医療現場における残留細菌の不安を大きく改善すると期待できる。

16:15~17:00 交流会

※感染対策:参加者は事前登録を徹底する。会場入り口での検温・アルコール消毒を徹底する。入場定員は会場収容人員の1/2以下とする。マクス着用等については、国・兵庫県・神戸市等のガイドラインに従う。

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