お知らせ

2021年12月14日、神戸市「IoT導入相談窓口」の一環として、「3S工場見学会 & 3S講演会」を枚岡合金工具株式会社大阪工場で開催し、地元中堅・中小企業等から計16名に参加していただきました。

枚岡合金工具株式会社 代表取締役会長 古芝保治様による講話【聴いて心に火が付く！「儲けとツキを呼ぶ『徹底３S活動』成功の秘訣」】では、3S（整理、整頓、清掃）や5S（前述3Sに清潔、躾が加わる）の重要性についてご説明され、枚岡合金工具株式会社（以下、枚岡合金）が経営的に生き残りをかけ、20年以上に渡って3S取り組んできたことを事例付きでご説明されました。3Sはムダ（場所、時間、お金）をゆとり（休憩所、安全、労務軽減、収益）に回すことができ、経営革新につなぐことが可能になりますが、社員の理解と実践が非常に困難です。枚岡合金では、社長自らが牽引役となって社員に対してビジョン、投資効果の金額算出の提示等で理解を求め、乗り越えられてきたことが非常に印象的でした。

工場見学会では、枚岡合金で毎朝実践されている清掃業務を参加者全員が体験しました。また、工具・治具からゴミ箱に至るまで全ての物品の整理整頓状況・方法を見学しました。使用頻度をもとに配置を決め、その配置を厳守するための工夫が随所で感じられ、非常に良い経験となりました。

　

事務所見学では事務用品が対象となり、工場の工具等と同様、使用頻度をもとに、デスク引き出しの配置を決め、整理整頓されている状況を見学しました。3S姿絵キットを活用し、必要な事務用品を探すムダな時間を徹底的して省く姿勢が印象的でした。また、個人で使用する物品に加え、共有品に対しても3Sは徹底されており、共通棚の書類（キングファイル等）の配置を使用頻度に応じて合理的に決めると同時に、その配置を厳守すべく、背表紙の背景画像等に工夫を凝らしている姿勢が印象的でした。

情報の3Sでは、枚岡合金で独自に開発した文書管理、図面管理システム「デジタルドルフィンズ」を活用した3Sについてご説明されました。工場における物品、特に受注品は出荷とともに自動的に無くなります（整理されます）が、文書や図面は時間と共に確実に増えていき、3Sが非常に難しく、枚岡合金の状況に合わせた管理システムを構築する必要があったとのことでした。

最後に、3S活動を継続する上でのポイントについて質疑応答がなされました。外部専門家の意見等を聴講する場を設ける等、マンネリ化しないような工夫が必要とのことでした。

以上ように、講師の熱意と清掃体験の両面で、3Sは経営面で非常に重要なツールであることを肌で感じることができ、参加者に非常に有意義なセミナーとなりました。