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お知らせ

【開催レポート】2020年度IoT・AI・ロボット導入補助金事業 成果報告会レポート(2021.3.17開催)

 IoT・AI・ロボット導入補助金事業 成果報告会を2021年3月17日(水)に神商ホール(神戸商工会議所会館3階)を会場とし、オンラインによる中継も使ったハイブリッド方式で開催しました。会場参加、オンライン視聴合せて280名の方が参加しました。

会場の様子

 兵庫県・神戸市では平成30年度から県・市一体となり、兵庫県内の中小企業のIoT・AI・ロボットの活用などの「ものづくりの高度化」の支援をしています。セミナー、スクール、導入相談窓口、および導入促進の補助金など、さまざまな支援を(公財)新産業創造研究機構(NIRO)を事業者として実施してきましたが、今回の報告会は、2020年度の補助金採択企業の成果報告の場です。

 以下に、当日の様子をレポートします。

 下の写真が会場の様子です。新型コロナウイルス感染症対策で3人掛けの机にお一人で座っていただきました。また、入場時の体温測定、手の消毒、マスクチェックや、発表終了後のマイクの消毒を実施しています。各社のポスターは、会場の壁に沿って報告会の開始時から終了時まで掲示しました。

会場の様子

○オープニング

 成果報告会の冒頭、主催者を代表し、兵庫県産業労働部産業振興局 西躰局長がご挨拶いたしました。

会場の様子 西躰氏
    成果報告会のオープニング                   主催者挨拶

○補助企業からの成果報告

大矢氏

司会:大矢氏

 主催者挨拶に引き続き、司会の兵庫県経済観光局工業振興課の大矢氏から、IoT・AI・ロボット導入補助金の概要を説明した後、補助事業者による成果報告が行われました。今回は、コロナの影響でポスターセッションが中止されたため、全採択企業が各7分間で成果を報告し、その後、会場とオンラインの参加者と間で質疑応答が行われました。以下が、各企業の報告内容です(掲載は発表順)。


「マッサージを見える化するトレーニング機器開発」
 アイグレー合同会社 前川氏

人体模型に触圧センサーとラズベリーパイを埋め込み、看護師などがその場で自分のマッサージの圧力、速度などをタブレットで確認・比較できるポータブルなトレーニング機器を開発した。


「新型低価格射出成形機異常検知器の開発」
 アスカカンパニー株式会社 竹内氏

アスカカンパニー(株)が販売している射出成形機異常検知器の部品を見直して原価を下げると共に、複数ヵ所の同時測定による型締力バランスの異常検知機能を追加。当該装置の低価格化と機能向上を両立させた。


「霧発生器稼働監視システムの空白エリア解消」
 株式会社いけうち 西平氏

電波の届かない場所に設置された霧発生器に取り付けた子機と通信用の親機との間の通信を確保するため、新たに中継器を開発して通信を確保し、所期のIoTサービスが行えるようなった。


「AI画像認識によるボルトの不良検査装置の開発」
 株式会社北浜製作所 森野氏

コンベア上のボルトの不良(変形・傷)を画像認識する上で障害となる、運搬途中のボルトの重なりを除去する装置(刷毛と加振装置の組み合わせ)を開発し、重なりの抑制が確認できた。


「無線タグを使用して人・物の所在地を把握」
 株式会社共和電子製作所 岡本氏

人、物(計測器)にBluetoothタグを取り付け、複数箇所に置かれた受信機に届く電波強度から位置を特定するシステムを開発し、おおまかな位置が把握したことで、探す時間を削減できた。


「外観検査を自動化し品質の安定化を実現」
 株式会社兵庫精密工業所 西脇氏

3Dプリンター製のカメラユニットをロボットに取り付け、鋳物加工品を画像検査するシステムを構築。人的ミス撲滅による品質の安定化と作業時間半減によるボトルネックの解消を実現した。


「AI画像認識技術により非接触ページ送りを実現」
 株式会社グラノラジャーニー 西村氏

食品製造現場において、AIの画像認識技術を用いて手の動きを検出し、非接触で衛生的にタブレット上の作業マニュアルをページ送りするシステムを、ラズベリーパイを用いて低価格で実現した。


「IoTプラットフォーム FA Cloudの機能強化」
 株式会社神戸デジタル・ラボ 中西氏

製造業向けIoTプラットフォーム FA Cloud(2018年度開発)に、市場ニーズに基づき、俯瞰的な設備状況の表示機能や外部システムとの連携機能を拡充し、通信量の3割削減も実現した。


「瞬時電圧低下補償装置の遠隔監視システム開発」
 株式会社 指月電機製作所 若松氏

瞬時電圧低下補償装置の稼働状態を遠隔でモニタリングするため、IoTゲートウェイとWebアプリケーションを開発すると共に、システム構築作業の内製化を図り、技術を習得した。

 
会場の様子

今回の成果報告会では、コロナ感染対策としてポスターセッションは取りやめましたが、各企業のポスターは会場壁面に張り出し、休憩時間には参加者にご覧いただけるようにしました。

ポスターセッション ポスターセッション


「ソフトウェア製品にAWSを用いてクラウド化」
 株式会社システムリサーチ 高岡氏

ソフト製品(グループウェア)にAWSを用いてクラウドサービス化し、「今すぐ使える」製品へと変革した。取り組みを通じて、AWSの開発技術やノウハウの習得ができ、今後の事業の幅が広がった。


「介護の生産性を高めるIoT情報サービスの開発」
 株式会社CiNK 川上氏

介護施設入居者の状態をセンサーで統合把握するクラウドサービスを開発し、介護サービスの生産性向上を支援するシステムを開発した。また開発を通じIoT技術者の育成・戦力化が実現した。


「ロボットによる給湯器部品の工程間自動搬送」
 福伸電機株式会社 米田氏

多品種少ロット生産の給湯器製造ラインで、部品の工程間搬送をロボットで自動化し、省人化と80%の高速化を実現した。吸着ユニットの自動持ち替えにより多品種の自動搬送にも対応済み。


「多品種少量生産におけるKPI管理システムの構築」
 株式会社大日製作所 橋本氏

Field System(稼働状況収集)とSales Force(営業支援ツール)を導入し、製造場の高度なデータ集計と見える化により、KPI(重要経営指標)を用いた管理が可能なシステムが実現した。


「タブレットで海外製造拠点のリモート技術指導」
 日精テクノロジー株式会社 西原氏

汎用システム(ZOOM)と首掛けスタンドで保持したタブレット(iPad)を使い、スマートグラス以上に使用感の良い、安価で実用的な海外製造拠点支援システムを構築し、運用した。


「画像認識により人工受精卵の染色体異常を診断」
 ネクスジェン株式会社 宮塚氏

人工受精卵の染色体異常の診断にAI画像認識を適用した。これまでの人手による診断は2~3時間を要し実用化のネックであったが、AI画像認識では短時間(数秒)で解析し実用化に道を開いた。


「RFID導入による生産状況の見える化と滞留削減」
 古野電気株式会社 山下氏

プリント基板ラックにゼブラ製RFーIDタグを取り付け、工程要所で読み込み工程進捗を見える化した。手組実装工程の作業者が現状を把握したことで、滞留が減り生産効率も13%向上した。


「ウイルス検査用凝集反応検査装置の開発」
 株式会社ミクロブ 秦氏

病原ウイルス判定に使う検査試薬を精密供給するため、圧電素子を使用した小型・高精度ピペットと顕微鏡カメラを一体化した検査装置を開発。高価な検査試薬の効率的な運用が可能となった。


「バス運転者の体調・状態モニターシステムの開発」
 みなと観光バス株式会社 松本氏

ドライバーの体調や状態(眠気、脇見)を、赤外線カメラ映像で採取した心拍波形等から判定するカメラモジュールを開発した。遠隔で運転者の体調と状態をモニターし安全運行を実現する。

主催者からの案内

会場の様子 会場の様子

 全事業者の発表終了後、兵庫県産業労働部産業振興局工業振興課の馬場課長が、昨年4月に発足した、AI・IoT・ロボット導入支援機能を拡充した「スマートものづくりセンター神戸」の紹介を行いました。
また、新産業創造研究機構より玉垣が次年度(2021年度)のIoT・AI・ロボットを含むDX(デジタルトランスフォーメーション)に関わる支援事業の予定の紹介を行いました。

 

○2020年度中小企業IoT・AI・ロボット導入補助金
採択企業名、事業名称および内容(全18件)

会場の様子

各社のポスターは「IoT・AI・ロボット導入・活用事例」としてNIROのホームページで公開中です。

 

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