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お知らせ

【11/20開催】「バイオマテリアル アップデート」(地プロ「医療・介護機器分野参入促進事業」 令和2年度研究会)

「バイオマテリアル アップデート」
~生体吸収材料、界面反応制御、血液ポンプ、ECMO、TiNi合金、Co-Cr合金~

お申込み・お問合せ先

メール標題 【地プロ】11/20講演会参加申し込み として、
①所属・機関、②部署・役職、③氏名(ふりがな)、④電話番号、⑤メールアドレス を記載し、
メールにてお申込みください。

(公財)新産業創造研究機構(NIRO) 健康・医療部(担当:西野) Email:nishino@niro.or.jp


 今回は、(国)物質・材料研究機構(NIMS)から2名の研究者、(国)産業技術総合研究所(AIST)から1名の研究者をお招きして講演会を開催します。
 NIMSは、物質・材料科学の研究を専門にしている国内唯一の公的研究機関です。これまで金属、セラミックス、ポリマーなどさまざまな物質・材料の最先端研究開発を通じて、環境やエネルギー、医療、インフラなどの問題を解決してきました。一方AISTは、我が国最大級の公的研究機関として日本の産業や社会に役立つ技術の創出とその実用化や、革新的な技術シーズを事業化に繋げるための「橋渡し」機能に注力しています。

 今回の講演会では、まずNIMS袴塚様より、企業における研究開発から事業化までの一連の経験に基づいて、生体吸収性材料の新規開発や新たな医療材料の創出について考察して頂きます。
 次に、NIMS堤様よりバイオマテリアルが生体にとって有害なのか有益なのかは界面における反応を理解し任意に制御することが重要であり、金属材料を対象にその界面反応を電気化学的に制御することで骨形成の促進や抗菌性の獲得や耐食性の改善、生体安全性の向上に関する成果を紹介して頂きます。
 さらに、AIST小阪様より、企業と組んで製品化に成功した手術中に使用されるモノピボット式遠心血液ポンプと中長期の心機能補助の実現を目的に研究開発している動圧浮上式遠心血液ポンプおよび付随する血栓センサや小型血圧・血流量計の開発について紹介して頂きます。
 最後に、NIMS土谷様より、医療デバイス用金属材料として最も広く用いられるTiNi合金とCo-Cr合金について最新の知見や応用例を紹介して頂きます。特にTiNi合金では、より高強度・高剛性で疲労寿命の長い材料を加工プロセスや相変態を活用して実現した例について、またCo-Cr合金では組成変形機構の制御により疲労特性を大幅に改善した例について紹介して頂きます。

 ◆日時:2020年11月20日(金) 13:30 ~ 17:30
 ◆場所:スペースアルファ三宮(神戸市中央区三宮町1-9-1 三宮センタープラザ東館6F)

 ◆定員:40名程度  ◆参加費:無料  ◆締切:11/13(金)17時、もしくは定員に達し次第締め切ります。

 ◇主催:公益財団法人新産業創造研究機構(NIRO)
 ◇協力:近畿経済産業局 関西再生医療産業コンソーシアム(KRIC)
     関西医療機器産業支援ネットワーク(KMSN)

プログラム/講演概要

13:00-13:30

 受付

13:30-13:35

 主催者挨拶

13:35-13:50

「自己組織再生の実現 ―生体吸収性材料―」
 国立研究開発法人 物質・材料研究機構 外部連携部門 企業連携室
 企業連携コーディネータ―  袴塚 康治 氏

【講演概要】
整形外科で用いられているインプラント材料は、生体内に長期に残存するため、成長期の人や自己組織再生能力が低下した高齢者に対し、様々な課題がある。
近年、インプラント材料として新たに登場した生体吸収性材料は、それらの課題をクリヤーしつつある。生体吸収性材料には、主に、ポリ乳酸、β―リン酸三カルシム多孔体、マグネシウム合金などが知られている。薬機法上はクラス4に相当し、ポリ乳酸とβ―リン酸三カルシウム多孔体が薬事承認を受けている。生体吸収性材料は非常に高い安全性と有効性のエビデンスが求められる。そのため長期にわたる試験・検証を行いながら製品化を目指す必要がある。生体吸収性材料の薬事承認を得るには長期戦略に立脚した進め方が事業開発のキーである。これらの生体吸収性材料の成果として、医師の手術時間の短縮や患者の負担軽減が期待される。
現在、生体吸収性材料は多くの知見が集積され、新たな試みも検討されている。マグネシウム合金のステント開発は、安全性・有効性のエビデンスを得るため長期にわたる臨床研究が継続して行われている。ポリ乳酸ではポリ乳酸繊維と非吸収性繊維を組合せた医療機器が出現し、成長期の患者の心臓修復への適応に道を開いた。一方、整形外科における骨補填材であるβ―リン酸三カルシウム多孔体は、自家骨に置換することが長期に渡る、数多くの臨床研究で検証された。変形性膝関節症の治療にも応用され始めた。
本報告では、「β―リン酸三カルシウム多孔体の自己組織再生」、なぜ、自家骨に置換するのかについて、細胞との関係を踏まえて紹介する。今後、より多くの患者に、より良い医療を届けることを目的に、新規の生体吸収性材料の開発やその組み合わせによる新たな医療材料の創出に向けて、今までの経験を基に私見を述べる。

13:50-14:50

「バイオマテリアルの界面と生体との反応」
 国立研究開発法人 物質・材料研究機構 構造材料研究拠点
 主席研究員  堤 祐介 氏

【講演概要】
事故や疾病により運動機能が失われ、自然治癒が望めない場合であっても、生体内に人工材料を埋入し喪失した部位と置換することで、その機能を再建することが可能となる。医療技術やこれに用いられる材料の革新により、より確実、安全、低侵襲な治療が次々と現実のものとなり、高齢化が進行する社会において、健康寿命(寿命のうち、日常生活に制限なく自立した生活を送ることのできる期間)の延伸と、QoL(Quality of Life: 人生・生活の質)の向上に寄与している。
医療用の材料、すなわちバイオマテリアルは、一般的な工業材料と同様に、金属材料、有機材料、無機材料、およびこれらの複合材料に分類される。特に金属材料は、高強度と高延性のバランスによる優れた機械的性質を示すため、実用時に大荷重に曝される運動機能の再建術用のデバイスとして主要な役割を担っている。一方、金属元素は本来、生体中には存在しない物質であるため、生体機能性に乏しいという短所も有する。
生体内に埋入されたバイオマテリアルと生体組織との反応は、必ずその界面において進行する。すなわち、バイオマテリアルが生体にとって有害な性質を示すのか、それとも有益な性質を示すのかは、界面での反応を理解し適切な対策をすることで、任意に制御できることを意味している。
本講演では、金属製のバイオマテリアルを対象に、その界面反応を電気化学的に制御することで、骨形成促進や抗菌性といった生体機能の獲得や、生体内環境での耐食性の改善と生体安全性の向上を実証した研究内容を紹介する。

14:50-15:00

休憩 

15:00-16:00

・「血液ポンプ開発の最前線~産総研における血液ポンプとその周辺技術の開発~」
 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
 健康医工学研究部門 人工臓器研究グループ 主任研究員 小阪 亮 氏

【講演概要】
重症心疾患患者の根源的治療として心臓移植が実施されているが、心臓移植は慢性的なドナー不足の問題を抱えている。そのため、心臓移植までのつなぎとして、生体内に埋め込んで心機能を補助する植込型補助人工心臓が使用されている。しかし、植込型補助人工心臓は原則心臓移植の適応が承認された患者を対象として、心臓移植待機目的にのみ使用されるため、手術後、心臓移植の適応を判断するための1ヶ月程度使用可能な体外設置型遠心血液ポンプが求められている。さらに昨今、新型コロナウィルス等の感染症に対して、体外式膜型人工肺(ECMO)の中長期使用を可能にする体外設置型の遠心血液ポンプが求められている。しかし、手術中に使用される短期使用が前提の血液ポンプを中長期使用する場合、耐久性や赤血球の破壊、人工材料表面の血液凝固などの血液適合性などが問題となる。
本講演では、産業技術総合研究所が研究開発し、企業と製品化に成功した手術中に使用されるモノピボット式遠心血液ポンプと、中長期の心機能補助を目的に研究開発している動圧浮上式遠心血液ポンプを紹介する。特に、動圧浮上式遠心血液ポンプは、パソコンのハードディスクにも使用されている非接触軸受である動圧軸受を血液ポンプに応用することで、血液ポンプ内部の羽根車が血液中を非接触で回転駆動させること可能にした。そのため、従来の血液ポンプで問題となる軸受の摩耗や軸受部の赤血球の破壊、血栓形成の問題を改善可能である。さらに、血液ポンプの開発だけでなく、血液ポンプを適用した患者の安心・安全技術として、血液ポンプに生じた血液凝固を検知する血栓センサや患者の生理状態を管理するための小型の血圧・血流量計の開発について紹介する

16:00-17:00

・「医療デバイス用金属材料の応用動向とその高度化~TiNi合金、Co-Cr合金を中心に~」
 国立研究開発法人 物質・材料研究機構
 若手国際研究センター・センター長(構造材料研究拠点・上席研究員) 土谷 浩一 氏

【講演概要】
医療デバイス用金属材料の中でもTiNi合金、Co-Cr合金はステントなどの血管内留置型デバイスの材料として最も広く用いられているものである。しかし近年の社会の高齢化や、適用範囲拡大などの新しい需要に対応するため、これらの材料の高度化への要求が高まっている。
TiNi合金は応力誘起マルテンサイト変態に起因する超弾性と呼ばれる大きな擬弾性変形(〜8%)を示し、自己拡張ステント、人工心臓弁、ガイドワイヤーなどにも用いられているが、デバイスの小型化と留置期間の長時間化に対応するために、より高強度、高剛性で疲労寿命の長い材料が求められている。また、Co-Cr合金は強度と耐食性にすぐれ、冠動脈用バルーン拡張型ステントの代表的な材料であるが、比較的早期の疲労破断の報告があるなど、耐疲労特性にすぐれた合金開発が求められている。
本講演ではTiNi合金やCo-Cr合金についてその特性と最近の応用例について解説するとともに、加工プロセスや相変態を活用したTiNi合金の高強度・高剛性化、組成変形機構の制御により疲労特性を大幅に改善したCo-Cr合金の開発研究について述べる。

17:00-17:30

 全体Q&A、名刺交換会

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