Loading...

【開催レポート】「製造現場のためのIoT導入実践塾」(2019.12.18 , 2020.1.22開催)

「製造現場のためのIoT導入実践塾」を2019年12月18日(水)、2020年1月22日(水)の2日間に渡り神戸商工会議所会館9階会議室で開催し、11名の方に参加いただきました。NIROでは兵庫県の補助により兵庫県内企業のIT人材の育成を行う「社内IT人材養成講座IoT編」を今年度から開催しておりますが、その一環でのセミナーの開催です。

  画像右寄せ

今回は安価なIoTツール「MIOTO」(ボードコンピュータ)を使い設備の稼働データの採取システムを自作し、表計算ソフトを使い稼働状況を見える化する、電子工作を含む研修を行いました。

講習の1日目は、IoTツールを参加者の皆様に自作いただいた後、パソコンのセットアップをし、表計算ソフトで採取したデータの表示行いました。2日目の講習までの宿題として、制作したIoTツールは持ち帰り、工場設備などに取付け、データ採取を行っていただきました。

2日目の講習では、そのデータ収集の結果を相互に報告し合い、IoT導入の体験を共有し、また講師からはデータ収集方法や現場改善への活かし方についてアドバイスを受けるという、非常に密度の高い研修となりました。

今回の講習の開催にあたっては、公益財団法人ソフトピアジャパン(岐阜県)のカリキュラムを参考にさせていただき、dp3の南様に講師をお願いして開催となりました。

それでは、開催の様子をレポートします。

・IoTツール「MIOTO」とは

 ところで、今回の講習で使用したIoTツール「MIOTO」とはどのようなものなのでしょうか?

  • Minimal IoT as Opensource(オープンソース活動としての最小限のIoT)の略です。
  • 「TWE-Lite(トワイライト)」と言う無線マイコンを使用して、安価に製作可能なIoTツールです。パソコンを別にすれば、1万円以内で初期システム構築が可能です。子機の増設は1カ所あたり3千円以内で可能です。
  • パソコンベースでシステムを構築しますが、プログラミングは不要です。
  • パソコンに取り付けた親機と設備に取りつける子機の間は無線で通信します。
  • クラウドサービスは使用しないので、月額利用料や通信費用は発生しません。
  • 表示部分に無償の表計算ソフトLibre Office Calc、過去データの分析にMicrosoft Power BIを使用。ユーザーで自由にカスタマイズすることも可能です。
  • 「MIOTO」の設計情報は無償で公開されています

  画像右寄せ  画像右寄せ

 使用したボードコンピュータ                     制作したIoTツール      
(TWE-Lite)の外観                                   

詳しくは、講師の南様が開設されたホームページ(https://mioto.dp3.jp/)に情報が提供されています。今回の講習では、このMIOTOを参加者自身で制作し、光センサーまたはマグネットスイッチをセンサーとして、既存設備からデータを採取します。

・開催初日(12月18日)

IoTツール「MIOTO」の制作から講習はスタートします。ご参加の皆様の前には、MIOTOのパーツ類とはんだコテ、テスターなど電子工作の道具が準備されています。

  画像右寄せ  画像右寄せ

一通りの説明のあと、講師の南さんから、はんだ付けもも含めたツール制作の方法を分かり易く実演していただきました。

  画像右寄せ  画像右寄せ

センサーは、自社でのデータ採取をイメージして光センサー、マグネットセンサーの中から選びます。はんだ付けは、中学校の技術の授業以来、と言う方もいらっしゃいましたが、何とか全員MIOTOを制作することが出来ました。

  画像右寄せ




MIOTOの制作が終わったら、MIOTOに使うTWE-Liteにプログラムを書き込み、またPCのセットアップを行います。データ採取が出来るようになったら、表計算ソフトLibre Office Calcを使い、センサーのON/OFF状態を表示します。

  画像右寄せ


上手く動作すると右のような形で、センサーのON/OFF状態を反映して、稼働中/停止の文字が表示されます。  最後に採取したデータの解析用のツールとして、Microsoft Power BIをインストールして、使用方法の説明を受けて、初日の講習は終了となりました。

・制作したIoTツールのテスト運用(宿題)

参加者の皆様には、制作したIoTツールは持帰り、自社工場の製造ライン等に取付てデータ採取を行っていただきました。2日目の講習では、データ採取の結果やデータ採取の際に発生した問題点などを報告いただくことになります。

  画像右寄せ

・2日目(1月22日)



自社工場でテスト運用結果およびその過程で経験した事象をそれぞれ発表いただき、参加者間で共有いただくと共に、講師の南様からデータ収集方法や現場改善への活かし方についてのアドバイスを頂戴しました。ご報告いただいた内容を分類すると以下のようになり、シグナルタワーや表示灯の情報を光センサーで検出して設備の稼働状態の監視を狙った方が多い結果となりました。

 ・発表の様子です。

画像右寄せ 画像右寄せ
 

参加者アンケート結果では、参加者の多くが「参加して非常に良かった」と回答されており、非常に満足度の高い講習となりました。

参加者の皆様、講師の南様との記念写真

  画像右寄せ


ページトップへ